今月のピックアップ鉢物

 

10月のおすすめ鉢物


和と洋のコラボレーション

「ポットマム」

分類:キク科 宿根草 

日本人の生活に欠かせない花の菊。西洋の感性が融合したポットマムは、従来の菊にはない華やかな魅力が満載です!

菊は秋の季語にもなっています。ポットマムは、秋が深まって朝晩の涼しさが訪れるにつれ、花色が鮮明になり美しさを増します。

ぜひお気に入りの一鉢を見つけ、本来の美しさを長く楽しめるよう上手く管理していきたいですね。

豆知識


「マム」とは菊の学名を略したものです。
「ポットマム」は「鉢物の菊」という意味ですが、一般に「○○マム」と呼ばれるものは西洋菊を指し、和菊は含みません。アメリカで鉢物用に改良された品種がポットマムの名で流通したのが始まりで、日本には1960年代に入って広まりました。

アメリカ、ヨーロッパで品種改良されて誕生したポットマムですが、元々は江戸時代の日本でつくられた変わり咲きの品種などが起源で、これらがイギリスなどに渡りブームとなったことに端を発します。和と洋、両方のセンスが融合して誕生した花といえるでしょう。

花の付きかたには「スプレー咲き」、「一輪咲き」があります。スプレー咲きは一枝に何個もの花を付け、蕾が順々に咲くため、次々と新しい花を楽しめます。一輪咲きは人の手でわき芽を摘んで仕立て枝の頂部にひとつの花だけを付かせるので、花が大きくなりとても見栄えがあります。

生産の様子


田原市では、年間10万鉢のポットマムが出荷されています。出荷は8月の末から始まり11月まで続きます。渥美半島でのポットマムの栽培の歴史は非常に長く、昭和40年代には一大産地が形成されていました。

田原市は切り花菊の本場であり「電照菊」として有名で、ポットマムにもその技術が生かされています。
一般に菊は秋に日長が短くなると花が咲く性質があります。生産者は電照や遮光カーテンを用いて日長時間を変えて開花時期を調節しています。
夏場の促成栽培では、蕾を早くつけるためシャード処理を行います。ポットマムは短日条件で開花する特性があります。花を咲かせるには真夏の昼間でもハウス内を暗くする必要があり、ハウス内をカーテンで覆ってポットマムには夜と錯覚させて開花を促します。

家庭での管理の仕方


置き場所は、日のよく当たる場所が適しています。ただし、西日が長時間当たるなど、暑くなりすぎる場所は避けましょう。

水をよく欲しがる植物です。水切れに注意しますが、根が水に浸かりっぱなしだと根腐れするので、鉢皿には水を溜めないようにしましょう。

花が咲き終わったら、1/3位の高さに切り戻し、花壇か大きめの鉢に植え替えて、屋外で管理しましょう。地上部は冬に枯れますが、暖かくなると新しい芽が出ます。冬も水やりは必要で、上手に管理すれば翌年の秋に再び美しい花を見ることが出来ます。

品種のいろいろ


「ティエラ」はポンポン咲きのカラフルなシリーズ。「ティエラ」とは、スペイン語で地球のことです。一輪咲きの花が咲きすすむにつれて、まん丸くなります。花弁がとても多いため花が傷みにくく、花の日持ちがとても長いのが魅力です!

ポットマムの花の形や色は、日本古来の古典菊を品種改良に用いることで、とても豊かになってきました。写真の「風車」シリーズは「肥後菊」の血を引いており、先がさじ型になった管状の花弁が風雅な雰囲気をかもし出しています。このように古典菊の良さを引き継いだ鉢物も栽培されています。

最近、切り花ギクでも大人気なのが、花びらが何層にも重なる「デコラ咲き」の品種です。花が大きく、花の中心が見えないほど立体的に重なり合う花弁がとても華やかです。デコラ咲きのポットマム「ダンテ」シリーズは、色が鮮明で美しく、モダンさを感じさせる花姿が人気の品種です。

こちらの品種は、カラフルな色合いで展開している「ロリポップ」シリーズです。可愛い花弁と丸みを帯びた形が愛らしさを感じさせます。

 

10月のプレゼント



写真はイメージです

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次回予告


来月は冬の訪れを感じさせてくれる「ポインセチア」です。お楽しみに!!